少しだけ「相続」という現実を直視してみましょう。
「相続」は、他人とならまだしも、かつては一緒にごはん食べた、遊んだ、楽しんだ、共に悩んだ、家族、親戚と決定的な決裂を招くおそれがあるのです。
今日はおおよその数値をお伝えしたく書きました。
◆まず、相続といえば・・何をイメージされますか?
「相続税」ですか?
H27年から相続税法が改正され、相続税の基礎控除額(これより以下は相続税がかからない金額)が、5,000万円+法定相続人の数×1,000万円から
<3,000万円+法定相続人の数×600万円>
に改正になりました。
問題はその控除額は当然ですが、何割の方が相続税を支払ったのでしょうか?
ということです。相続税課税割合です。
『上級相続診断士テキスト』からの引用の数値ですが
相続税課税割合
H25→4.3%
H26→4.4%
H27→8.0%
H28→8.1%
H29→8.3%
H30→8.5%(独自に調べました)
なにが言いたいかと言いますと
100-8.5=91.5%・・
約9割の方は相続税がかからなかったということです!
もちろん、生前対策されて、相続税がかからない様にされた方もいらっしゃるとも思います。
じゃ、なぜもめるの?
相続税がかかる割合と、相続でもめる割合は関係ないということ?!
◆相続のここに注目!
ちょっとこちらをご覧ください。
「遺産分割金額の金額別訴訟割合」(相続診断協会のHPより)
相続資産合計が
1000万円以下・・31.9%
5000万円以下・・43%
1億円以下 ・・・12.6%
最高裁判所の司法統計年報(H26年より)
実は、相続税対象者よりも、相続資産合計が5,000万円以下の紛争が全体の74%を占める計算になるようです!
最新の司法統計年報(H30年)を見てみると(独自に調べました)
1000万円以下・・32.9%
5000万円以下・・43.2%
1億円以下 ・・・11.0%
やはり、遺産分割事件(「分割しない」を除く)の遺産価額別が
5,000万円以下の紛争が全体の76%占めてます!増えてますね。
ということは・・、
相続財産が少ないほど、もめる傾向があるといえます!
つまり、相続した分けずらい不動産、わずかしかない有価証券、現金、などなどの分け方に不満があった。
よく言われる「遺産分割争い」です。
怖くないですか!一般の家庭こそ相続争いが起きやすいといえませんか!
どうも他人ごとではなさそうです!
遺産が多いから揉めるイメージがありましたが、実際は「金持ちケンカせず」で、遺産を完全に平等に分けられないことが、「争族」のもとになっているようです。