FPがライフプランを作成する際の情報のひとつが、月々の家計の収入・支出の「家計管理」。
その「家計管理」を知る上で大切な収入情報が「可処分所得」です。
今さらですね。
今回は、サラリーマンのざっくりとした可処分所得についてのお話になります。
年末になりますと、源泉徴収票とか確定申告という言葉を耳にされる方も多いのではと思います。
中でも「給与所得の源泉徴収票」につきましては、従業員、パート等の方は、ご自身の目で見る機会はあると思います。
家計を管理していく上で、これらの書類に書かれている情報は、大切な情報となります。
家計管理には、収入と支出があり、その収入に値するのが可処分所得です。
可処分所得は自由に使える手取り収入のことを言います。
少し詳しい言い方をしますと、収入から所得税・住民税・社会保険料を差し引いた額となります。
余談ですが、もう一方の支出には、食費・家賃・通信費等の毎月決まって出て行く支出と、学校入学一時金・自動車購入などの一時的な支出があげられます。
一年間の可処分所得ですが、年収入が毎月決まって出て行く支出の”年”合計額を上回らないと健全な家計とは言えません。
ですので、可処分所得を理解することは非常に大切です。
それでは給与所得の源泉徴収票からの可処分所得の見方についてお話しようと思います。
可処分所得を知るには、4つの情報が必要になります。
「年収」と「所得税」と「住民税」と「社会保険料」です。
可処分所得は、年収-所得税-住民税-社会保険料となります。
給与所得の源泉徴収票には、「年収」と「源泉徴収税額」(おおよその「所得税」)と「社会保険料」の情報は記載されています。
問題は、「住民税」を求める必要があります。
<1>基本的な求め方
・まずは、年収。いわゆる「支払金額」といえるところです。
・その支払金額から給与所得控除の金額と所得金額調整控除(※)を差し引いたものが、「給与所得控除後の金額」となります。
「給与所得控除後の金額」は源泉徴収票に記載されております。計算される必要はありません。
(※)所得金額調整控除とは、子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除、または、給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除の2種類の控除があります。
次に、ここから少し面倒なところなんですけれども、基礎控除(48万)、配偶者控除(最大38万)、配偶者特別控除(最大38万)、扶養控除(38万、63万など)、障害者控除、ほか社会保険料控除、生命・地震保険料等控除などの所得控除の合計額(個人で異なります)を、先ほどの給与所得控除後の金額から引くことになります。
これが課税所得金額となります。
さらに、もし、ここで、住宅借入金等特別控除(初回は確定申告必要)があれば課税所得金額から引くことができます。
課税所得金額に所得税の計算式をあてはめ、計算されたものが・・「源泉徴収税額」(おおよその所得税)となります。
「源泉徴収税額」も、源泉徴収票に記載されております。
ポイントは、課税所得金額から、(翌年引かれる)おおよその住民税を計算します。
住民税の計算式は、課税所得金額×10%=住民税(所得割) です。
※住民税には他に「均等割」(均等に課税される5000円/年程度のもの)がありますが、ここでは考えないでおきます。
以上で、所得税、住民税、社会保険料の情報が集りました。
何度も言いますが、可処分所得は、年収-所得税-住民税-社会保険料となります。
住民税を計算するのに、課税所得金額を計算するところが面倒ですね。
この可処分所得から支出を引いて、残った残高が金融資産残高に加わります。
<2>もっと、ざっくりと簡単に計算できる方法は!
給与の「年収」しか分からない場合です。
- 年収-給与所得控除額=給与所得。(給与所得控除額を求める表より計算します。)
- 年収×15%=ざっくりとした社会保険料 を求めます。
- 給与所得-所得控除(基礎控除などの人的控除、社会保険料、生命・地震保険料控除)=課税所得
- 課税所得×所得税の計算式=所得税。(所得税額を求める表より計算します。)
- 課税所得×10%=住民税。
可処分所得=年収-所得税-住民税-社会保険料
<3>それでもよく分からない!面倒くさい!もっとざっくり簡単に知りたい!という方は・・
可処分所得=年収×80% 年収600万程度など
(可処分所得=年収×75% 年収900万程度など)
年収に80%かけとおけばというイメージでしょうか。あくまで、ざっくりという方向けです。
ご自身の可処分所得はどれくらいになりましたでしょうか?
将来のことなど、誰一人として、分かりません。知ってもどうにもならない!という方は多いです。
とはいえ、今の状態のまま将来を迎えるとどうなるかだけでも可視化しておくことで、今の過ごし方が変わってくる?変える?大体の予測がつく?ことも否定できないと思われます。
【重要】上記記載の情報(2024/12/2時点)には、年収103万円の壁を178万円の壁に引き上げた時の考慮はしておりません。
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