遺言書あるある?
相続争いを防ぐつもりの遺言書。
でも、その遺言書が争いの種になることも。
父親が亡くなりました。
相続人は、母親と長男と長女の子供2人です。
これまた葬儀後落ち着いたと思ったそのとき・・
母親がどこから見つけてきたのか、慌てて皆の前に「遺言書」を差し出しました。
母親は震えながら「勝手に遺言書の封を開けたらあかんよ。調べたらな、裁判所に持ってって検認(※)?とかしてもらわんとダメやて。」
※「検認」とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続をいいます。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。自筆証書遺言でも法務局に保管すると検認は不要です。が、内容まではチェックされませんので要注意です。
後日、「検認」が終わり、皆ドキドキしながら内容を見ると・・。
「すべての財産を長男、●●に相続させる。」と。
あちゃ~、やってくれるなぁ~!
相続人みんなが賛成なら別にこのままでも構わんけど・・。
突然のことで、なんか納得できへんし・・。
不満が頭をもたげてくる・・。
なんでなん???
長男が家を継いでくれるのは分かる・・
でも、極端すぎへん??
ファイト!カ~ン!
さあ、どうしましょう??
不満でしたら、最低限もらえる「遺留分」という制度があります。
裁判を初めから起こすものではなく、意思表示でOKですが、証拠を残すため内容証明郵便などで、「遺留分に相当する分を精算して」と請求します。
上の場合、母親:1/2×1/2=1/4、長女:1/2×1/2×1/2=1/8は長男からもらえる額になります。
また、「遺留分」は亡くなった被相続人の兄弟姉妹にはありません。
はい、上記の「遺留分」はもらえる。以上!!
でもどうですか・・、実際、当の本人でしたら。後味悪くないですかね。
理屈理論では割り切れても、感情では割り切れないところがあると思いませんか?
「遺留分」に配慮した遺言書は必要と言えば必要だと思います。
ただ、形だけではなく、なぜそう分けようと考えたのかということも、文字にすることも必要だと思います。
そして、生前に家族内で話し合う?難しければ第三者に入ってもらって調整してもらうことも必要かと・・
絶対と思われる「遺留分」も生前なら家庭裁判所の許可がれば放棄できますし、ん・・?ちょっと条件がありそうですが。
相続後は家庭裁判所云々は不要です。遺留分の侵害額請求しなければOKです。
家族の考えを皆がお互いに承知していれば・・。その上で、遺言書を書いても遅くはないかと。その遺言書には心情部分も記載できます!
怒り、悲しみ、納得感、幸福感・・・すべて感情です。感情がOKでしたら・・。
家族という、ただでさえ感情が吹き出しやすい関係性の中で、その感情を一方的に理屈理論で割り切ろうとするから、無理があるのでは・・。
先祖代々の家をつぐ人は、ご近所付き合い、親戚付き合いとか墓守とか、役割がありますので。そうそう簡単に割り切れるものではなさそうです。
結局、日頃からの、親子間、兄弟間の話し合い、役割認識が必要なのかなと。形だけではなく、たまにはナーバスな部分の話し合いも・・。
そうは言っても、簡単じゃないですよね!
100%話し愛(合い)はできないとしても、まずは30%オーバーできるよう努力する姿勢は必要ではないかと思うのです。